子どもに薬を飲ませるのは、親御さんにとって大きな悩みの一つですよね。
うちの子は薬を絶対飲んでくれない!
病院で処方された薬を飲ませるのに毎回苦労する…
このように、子どもに薬を飲ませるために悩んでいる親御さんは、たくさんいらっしゃると思います。
この記事では、子どもに薬を上手に飲ませるための方法を紹介していきます。
この記事のポイント
- 子どもが薬を嫌がる理由と対策
- 年齢別・形態別の上手な飲ませ方
など、子どもに薬を飲ませるための様々な情報を詳しく紹介しています。
この記事を読むことで、子どもに薬をスムーズに飲ませる方法がわかり、子どもの健康管理がしやすくなります。
育児を安心して楽しむための手助けになれば幸いです。
Contents
子どもが薬を嫌がる理由
苦い、まずい
多くの薬は、大人にとっても苦味や酸味があり、子どもにとっては不快な味です。特に、シロップ薬や粉薬は味覚が敏感な子どもにとって、非常に苦手なものと感じられます。
見た目が怖い
錠剤やカプセルなど、見た目が怖い薬もあります。特に、初めて見る薬や、大きなサイズの薬は、子どもにとって恐怖を感じさせてしまうことがあります。
以前の服薬体験で嫌な記憶がある
薬を飲んだ後に吐いたり、苦しんだりした経験があると、トラウマになって薬を嫌がるようになります。特に、病院での嫌な経験と結びついていると、薬そのものに悪い印象を持ってしまうことがあります。
薬を飲むのが怖い
注射など、痛い医療行為と薬を関連付けて、薬を飲むのも怖いと感じる子どももいます。特に、小さい子どもは、医療行為に対する恐怖心が強い傾向があります。
薬の説明を理解できていない
ある程度理解できる年齢の子どもであれば、薬を飲む必要性を説明することで、協力してくれる可能性があります。しかし、小さい子どもは薬の説明を理解できず、ただ単に「薬を飲まなきゃいけない」というプレッシャーを感じてしまうことがあります。
これらの理由に加えて、個々の性格や経験によっても、薬を嫌がる原因は異なります。例えば、臆病な性格の子どもは、新しいことに挑戦することを恐れて薬を嫌がったり、甘えん坊な性格の子どもは、親の愛情を確かめるために薬を吐き出したりするケースもあります。
年齢別・薬剤形態別の上手な飲ませ方
子どもに薬を上手に飲ませるには、子どもの年齢と薬剤形態に合った方法を選ぶことが大切です。以下では、それぞれについて詳しく説明します。
乳児(生後6ヶ月未満)
生後6ヶ月未満の乳児は、まだ上手に薬を飲むことができません。そのため、シロップ薬や粉薬をスプーンやスポイトを使ってゆっくりと口の中に流し込むのが一般的です。
シロップ薬の場合
- スプーンやスポイトでシロップ薬をゆっくりと口の中に流し込みます。
- 薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。
粉薬の場合(シロップ状)
- 小さな容器の中に粉薬をあけ、少しずつ水を加えて、シロップ状(液体)にしてから、スプーンやスポイトで口の中に流し込みます。
- 薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。
粉薬の場合(ペースト状)
- 小さな容器に粉薬を入れ、少量の水を加えてペースト状にします。手をきれいに洗い、練った薬を指先に取り、子どもの口の中に塗ります。ただし、苦味を感じやすい舌の上には塗らないようにしましょう。
- 薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。
ポイント
- 無理やり飲ませようとせず、少しずつ様子を見ながら進めましょう。
- スポイトの先を奥に入れすぎないように注意しましょう。
- 薬を飲んだ後は、吐き出していないか確認しましょう。
- 使用したスポイトはきれいに洗い、乾かして清潔に保ちましょう。
乳児・幼児(生後6ヶ月~2歳)
生後6ヶ月〜2歳頃になると、ある程度上手に薬を飲むことができるようになります。スプーンを使って飲ませることも可能になりますが、嫌がる場合はスポイトを使うのも効果的です。
シロップ薬の場合
- 乳児を座らせて、スプーンでシロップ薬を飲ませます。
- 嫌がる場合は、スポイトを使って口の中に流し込みます。
- 薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。
粉薬の場合
- 乳児を座らせて、小さな容器の中に粉薬をあけ、少しずつ水を加えて、シロップ状(液体)にしてから、スプーンで飲ませます。
- 嫌がる場合は、スポイトを使って口の中に流し込みます。
- 薬が口の中に残らないように、飲み物を飲ませます。
ポイント
- 薬を飲む前に、スプーンやお水で口の中を慣らしておくと良いでしょう。
- 好きなおもちゃなどで気をそらしながら、ご褒美を用意しておくと効果的です。
幼児(2歳~6歳)
2歳〜6歳頃になると、ある程度理解できる年齢になるので、薬を飲む必要性を説明して協力してもらうのも良いでしょう。
錠剤の場合
- 錠剤を舌の奥に置いてから、すぐに水を飲ませます。
- 錠剤が大きい場合は、半分に割ったり、粉砕したりしてから飲ませることもできます。
粉薬の場合
- 少量の水で溶かした粉薬をスプーンで飲ませます。
- 水以外にも、麦茶や果汁など、好きな飲み物等に混ぜて飲ませることもできます。
ポイント
- 薬を飲む前に、なぜ薬を飲まなければならないのかを説明しましょう。
- 上手に飲めたら、たくさん褒めてあげましょう。
学童(6歳~12歳)
6歳〜12歳頃になると、ある程度自分で薬を飲むことができるようになります。錠剤、シロップ薬など、飲み方は他の年齢と同様ですが、薬を飲み忘れたり、間違えて飲んだりする可能性もあるので、注意が必要です。
ポイント
- 薬を飲むタイミングを自分で確認できるように、カレンダーなどに記入しておきましょう。
- 薬の保管場所を子どもが知らない場所にしましょう。
薬を飲みやすくするための食品【図解】
飲みやすくするための方法はいくつかあります。以下の表を参考にして、どの飲み物や食品と一緒に飲ませると効果的かを確認しましょう。
ただし、すべての薬が食品・飲み物で飲みやすくなるわけではありません。
子どもの味覚は個人差が大きいので、色々試してみて、一番飲みやすいものを探してみましょう。
また、薬を飲んだ後にすぐに水を飲むと、薬の味を消すことができたり、薬を飲んだ後に何か楽しいことをすると、薬を飲むのが嫌な気持ちになりにくくなります。
お気に入りのキャラクターが描かれたカップなども使って、子どもが嫌がらずに薬を飲めるよう工夫してみてください。
その他の上手な飲ませ方のポイント
子どもに薬を上手に飲ませるためには、年齢や薬剤形態に合った方法を選ぶことが大切ですが、その他にもいくつかポイントがあります。
薬を飲むタイミング
薬によっては、食前や食後など、飲むタイミングが指定されています。指示を守って正しく服用しましょう。
薬の保管方法
直射日光や高温多湿を避け、子どもの手の届かないところに保管しましょう。
シロップ薬は水で薄めて作られていることが多いため、長期間保存できません。飲み残した薬は保存せずに捨てるようにしてください。
服薬後の様子
薬を飲んだ後は、子どもの様子をよく観察しましょう。副作用が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。
服薬補助ゼリーやシロップ
上手に薬を飲めない場合は、服薬補助ゼリーやシロップを使うのも効果的です。薬をゼリーやシロップに混ぜることで、味や匂いを隠すことができます。
焦らず、ゆっくりと
子どもに薬を飲ませるのは、焦らず、ゆっくりと時間をかけて行うことが大切です。無理強いすると、逆効果になってしまうので注意しましょう。
専門家に相談する
どうしても薬を飲ませることができない場合は、小児科医や薬剤師に相談しましょう。薬の形状や飲み方についてアドバイスがもらえます。
まとめ
子どもに薬を上手に飲ませるのは、かんたんなことではありません。しかし、諦めずに根気強く取り組むことで、必ず克服できます。
今回紹介した方法は、あくまでも参考例です。子どもの性格や状況に合わせて、柔軟に工夫してみてください。
子どもが安心して薬を飲める環境を整えれば、親子で穏やかな薬の時間を過ごすことができるでしょう。
この記事が、少しでもお役に立てば幸いです。
もし、薬を飲ませることで何かお困りのことがあれば、コメント欄でご質問ください。
一緒に、子どもが安心して薬を飲める環境を作っていきましょう!
【参考情報】
「ちいさなお子さまへの おくすりの上手な 飲ませ方・使い方ハンドブック」北海道厚生農業協同組合連合会
お子さんの健康面でお悩みがある方は、個別の健康相談もぜひご利用ください。
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